A.ベクレル博士広場にある植え込みの塀にちょっと登って後方を撮影。混雑がさほど激しくないとは言ってもこれだけの人が道を埋め尽くしているのである。なお、この近所にはバス停があったのでそれで現在位置を確認。もちろんデモがある以上、このバス停に止まる路線(86号線)は運休。メーデーは祝日だからいずれにしても走ってはいないが。
なお、パリに限らずフランスでは路線バスはストとかデモで頻繁に運休したり部分運行になったりするので、不安な場合はあらかじめ営業所に問い合わせておくか、地下鉄(これもストになったらアウト)あるいはタクシー(こちらも時々ストをやる)を使う必要がある。以前ブザンソンに住んでいたとき、滞在許可証取得に必要な健康診断の日にゼネストがぶつかって、気温零下5度のムチャクチャ寒い中を片道5キロくらい指定された病院に歩いていったときにはマジで泣きそうになった(笑)。
で、こちらは前方を撮影したもの。元々祝日は飲食店以外の店はほとんど全て閉まるのだが、ボーマルシェ通りなどではデモ隊の狼藉を恐れてか、飲食店もかなりの割合で閉まっていたのだが、ここまで来ると結構開いている店が多いし、路上駐車も普段通りのレベルになる。それでも参加者は道を実質的に埋め尽くしている。
これを撮るときには車止めの円柱(高さ60cmくらい)に登っていたのだが、どういう風に撮影したらよかんべと色々試行錯誤していたところ、また学生記者とおぼしき人(女性)に写真を撮られた。腕章をチラリと見た限りではFIDL
(Fédération indépendante démocratique lycéenne:独立高校民主連盟)だったと思った。持っていたカメラもハイエンドのものでもデジカメでもなくて普通のAPSタイプのコンパクトカメラだったし。なお、彼女も赤いブレーカーを着ていた。
ナシオン広場が見えるところまでようやくやってきた。奥にナシオン広場の奥にある円柱がかすかに見える。画面中でサンアントワーヌ通りに交差するリュイイ通りは交通規制こそされているものの、自動車の進入が完全に禁止されているわけではないので、警官が手信号で自動車等の整理をしていた。
ナシオン広場が近く、同広場にある地下鉄およびRER(Réseau Express Régional:近郊高速鉄道網)の駅の入り口が全て閉鎖されているため、この辺りまで来るとナシオン広場から引き返す人たちに結構出くわすようになる。戻ってくる人は歩道、ナシオン広場へ向かう人は車道という「棲み分け」が自然と行われていたのには笑った。
さすがにナシオン広場が見えてくる辺りになると参加者にも疲労の色が濃くにじみ出てくる。皆一様に足取りが重くなるし、なんだか俯き加減になるのでよく分かる。しかしそれでも通り沿いのアパートの窓から住んでいる人たちが手を振ったり声を掛けたりするとみんなそちらに手を振ったりシュプレヒコールで呼応したりするのが面白い。実際、この交差点の近くではベランダから身を乗り出してシュプレヒコールに合わせて踊る70過ぎくらいのおばあちゃんを見かけた。元気だなあ。
左の画面に写っているのはサンドイッチ屋(画像が荒くてすみません)。よく見ると"Sandwicherie"と書いてあるのがお分かりいただけるかと思う。やはり店の前には結構列ができている。もう7時だから、みんな腹が減っているのだろう。一般的なサンドイッチはハーフサイズのバゲットにはさまれていて、大体3〜3.5ユーロくらい。ケバブサンドイッチ同様かなりのボリュームがあるし、パンもバゲットゆえ食いちぎるのには結構な顎力がいるので要注意。
ちなみにサンドイッチ屋の看板は時折"100dwich"とか書いてあるのだが、これは"100"が"cent"で、発音上はsanと変わらない事に基づく一種の洒落である。同様にして"K7"は"K"+"sept"で「カセット」と読む=Cassetteのこと。
Athlonのことではない。
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