★ナシオン広場に到着
ナシオン広場に到着した。時刻にして7時15分。レピュブリックから4時間半ほど掛けてここまでやってきたことになる。ナシオン広場のマリアンヌ像はご覧の通り完全に占拠(笑)されていて(像の天辺までどうやって登ったのか、また降りるときはどうするのか非常に気になる)、広場のほとんどはここまで歩いてきて疲れ切った人たちで埋め尽くされている。
こちらに切り貼りしてつなげたパノラマ風の画像を載せておいたので、興味のある人は見て欲しい(約60KB)。
広場に屯する人の多くは芝生に座ったりサンドイッチスタンドなどで軽食を採ったりしてめいめい疲れを癒している。その中時折団体参加のデモ隊が歓声を上げながら広場に到着し、広場に先についている人々もまた歓声でもってそれに応える。
下の写真の通り参加者は結構みんな疲れている。そりゃ5Km近くを何時間も掛けて揉みくちゃにされながらダラダラ歩いたり時折シュプレヒコールをあげたりすれば、たいていの人は疲れる。
かくいう私もこの時点では相当疲労していて、写真撮影後は広場の芝生の縁石に腰掛けて20分近く放心状態で休んでいた。食欲も減退するくらい疲れていて、とてもスタンドでサンドイッチを買おうという気にはならなかった。一旦座ってしまうと根が生えたみたいになって動く気がしない(笑)。
だが、逆に考えれば、これだけ疲れるのを承知の上でほとんどの人は極右に対する怒りを表明するため(等)にデモに参加しに来ているということになる。右の写真にも写っているような段ボールに殴り書いたメッセージを表明するために、地下鉄を乗り継いでレピュブリック広場にやってきて、何時間も歩き通しているのだ、しかも何十万人もが。
民主主義は疲れるものなのだ。そして疲れるに値するものであろう。高度消費社会の簡便さに慣れきった我々はそのことをもう一度学び直す必要がある。
★おうちにかえる
というわけで左の図が当日歩いたルートである。青い矢印がデモとしての行程、赤い矢印は帰途につくために通った道である。生来の方向オンチ+余りに疲れていたのと地図を持ってこなかったせいで方角以外は完全に間違えて遠回りの限りをつくしてしまったというのはここだけの話だが、レピュブリックに戻り着いたときもまだ駅の出入り口は閉鎖されていた。無論地下鉄は激しく混雑していて、アパートの最寄り駅に着くまでほとんど座ることができなかった。
で、当然夕食を作る体力など全然残っていなかったので、近所のトルコサンドイッチ屋でドネルサンドイッチ(3.81ユーロ)を買って食べたのだった。
アパートに戻り着いたのは8時半。民主主義の底力を思い知った一日だった。
その5へ 「独り言」インデックスへ