2008年05月 |
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まぶしいよ
(2008.05.28)
セミナーに2日連続で出席。いい勉強になりました。
鯖落ち回復しました
(2008.05.23)
先日このサイトをホストしているサーバーのHDDがクラッシュし、4月末以前のデータが全て飛んでしまいました。リカバリ用に提供されたバックアップ保存サーバーにあったデータは古すぎて話にならないという為体でしたが、Mixiなどにも一応同内容の日記を載せていたこともあって無事修復の事なきを得ました。
「スティーヴ・ライヒの音楽2」を聴いてきた
(2008.05.22)
さて、今晩はコンポージアム2008「スティーヴ・ライヒの音楽2」(http://www.operacity.jp/concert/compo/2008/concert.php)を聴きに東京オペラシティ・タケミツメモリアルホールに行ってきた。仕事のミーティングが7時まで長引いてしまったので、やむを得ず客先からタクシーで移動。何とか間に合ったが、そのせいで『ドラミング』は聴けず。涙。
ツィンマーマン『軍人たち』に行ってきた
(2008.05.10)
さて、本日はツィンマーマン『軍人たち』の日本初演を聴きに新国立劇場に行ってきた。 隣の東京オペラシティにはコンポージアムなんかも含めて年に数回は足を運んでいたのだけれど、実は新国立劇場に行くのは初めて。プログラムと出演者に今ひとつ魅力を感じなかったというのが最大の理由だが、過去にはブリテンの『ねじの回転』とかベルクの『ルル』とかリヒャルト・シュトラウスの『サロメ』とかヘンデルの『セルセ(クセルクセス)』もやっていた模様。己の情報収集能力を恥じる次第です。 予想よりも大分早く着いたので、館内をぶらぶらして時間を潰す。来年のプログラムを見たところ、来年のプログラムにショスタコの 『軍人たち』がどんな話かというのはWikipediaあたりで調べて貰うとして、以下感想。 序曲: 圧倒的な不協和音!これだよこれ! 現代音楽の演奏会に行く快楽の一つに、耳を聾せんばかりの豪快な不協和音に浸れるというのがあるが、まさしくその快感を出会い頭に叩き付けてくれるツィンマーマンは限りなく正しい。 第一幕: マリーとシャルロッテの掛け合いが楽しい。 演奏は鋭角的ながらも叙情的で若杉弘らしい解釈。シュトルツィウスの母がマリーからの間違いだらけのラブレターをハサミで真っ二つにする場面はユーモラスかつ深刻で、今後の展開をうかがわせる。 アルマンティエールのカフェでは軍人の衣装が真っ赤っかだよ!三倍速くはないけれどオーストリア航空のキャビンアテンダントみたいだよ! 第二幕: シュトルツィウス、デポルト男爵にマリーを寝取られるの話。他の軍人たちにバカにされ、マリーを寝取られて復讐を誓うシュトルツィウスの歌が素晴らしい。で、この場面はマリーがデポルト大尉と寝てしまう場面とシュトルツィウスがマリーからの三行半を食らってオタオタする場面が同時進行する。これを仕切る役のヴェーゼナーの老母は節度を持った歌い方で交通整理としてよかった。途中で混じるバッハのコラールはもう少しうるさくてもよかったかもしれない。個人的にはちょっと叙情的すぎたかな。 アルマンティエールのカフェの場面は踊り子がクネクネと踊って最後は軍人たちに嬲られる場面の演出は『地獄の黙示録』の慰問シーンとか『春の祭典』で選ばれた乙女が狂い踊り死ぬ場面みたいで、軍隊の持つ原始的な暴力性を示唆しているようにも思える。軍人たちがテーブルを叩いてリズムを交える場面は見事の一言。プロンプターえらい。 第三幕: マリーの性的堕落を痛罵するシャルロッテとそれに抗弁するマリー。デポルト男爵に捨てられたあとにマリ大尉と付き合って(捨てられてそのあと今度はラ・ロッシュ伯爵の息子とイチャイチャしたけど結局はふられてボロボロ)というマリーの素行を糾弾するシャルロッテの歌はもう少しとげとげしい方が良かったと思う。マリーの歌い方と釣り合いを取るためなのだろうけれども。マリ大尉の従卒になったシュトルツィウスの悲惨ぶりが靴磨きの様子に集約されていた。カワイソス。 ラ・ロッシュ伯爵邸の場面。今度はみんな黄色だよ! ああ!ジャン・ルイがやられた!(違) 場面変わってラ・ロッシュ伯爵夫人がヴェーゼナー邸を訪れ、マリーに身分違いの恋などやめちまえと諭し、堕落から救うために自邸に引き取ろうと提案する場面は音量バランスが少々悪いように感じたが、2階バルコニー席(でも一応S席)だったからなのかな? 伴奏をやるべき場面とそうでない場面でのオーケストラの音量に差があまり感じられなかったように思う。 第四幕: マリーが娼婦に身を落としていく過程ではスクリーンへの投影は使用されず。場所の制限もあるのだろうが、これはどうしてもやって欲しかった。これがないとどうしても第四幕の冒頭は説明的になってしまうと思うのだが……。でも、「不正に苦しむものは震えるばかり/不正を働くものばかりが楽しんでいる!」はここぞとばかりの圧倒的なパワー若杉節を堪能。こういう複雑で大音量で不協和音てんこ盛りで懊悩度200%な旋律をやらせると若杉弘は本当にうまいと思う。マーラーの後期交響曲とか。 で、シュトルツィウスがデポルト男爵を毒殺し自分も毒を仰いで死ぬ場面。シュトルツィウスの憎悪に燃えた歌い方が素晴らしい。発狂寸前まで歪んだ意識と怒りが無調の音楽と実によく合い、シュトルツィウスの絶叫調だが抑圧的な歌が悲劇(だろうな)を加速させる。 最後、マリーが浮浪者になって元父親に物乞いをするも本人と見分けられず捨てられる場面。マリーのボロボロぶりが胸に迫る。痛いよ痛いよ。 ホール内に設置されたスピーカーから流れてくる軍靴の音。ノーノの『Contrappunto dialettico alla mente』も四方八方から音がガシガシ飛んでくるテープ音楽だが、それを思わせる(作曲と初演は『軍人たち』の方がちょっとだけ先)混沌ぶりが救いの無さを徹底。ああ、こういう混沌も現代音楽を演奏会で聴く醍醐味だよなあ…… 予習として聴いていたギーレン盤は『ルル』やら『運命の力』あたりの引用というかコラージュが聞き分けられる非常に理知的で鋭角的な演奏だったのだが、それと比べると良くも悪くも叙情的なところが目立った内容だったと思う。個人的にはもっとギスギスした歌及び演奏の方が好きだし、第四幕でスクリーン投影がなかったあたりは減点対象となって然るべきだとは思うが、そもそもこのオペラは演奏することすら困難な代物なので、よくやったとまずは褒めるべきだと思うし、これを出発点にして新国立劇場でも本作をレパートリーに加えて欲しい(今回の公演はアムステルダム・ネザーランド・オペラからのレンタル)と切に願う。 |
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